小野に住まう ~三田でも馬が活躍できるイベントを~【中山美香さん】

更新日:2022年12月21日

優しく微笑みながら白馬のタテガミを撫でている中山美香さんの写真

カナディアンキャンプ乗馬クラブ神戸
乗馬トレーナー 中山美香(なかやま みか)さん
小野地区在住
乗馬クラブの新店舗が三田にオープンするのをきっかけに2019年に三田に移住

中山さんはどういった経緯で三田に引っ越して来られたんですか?

 出身は香川県なんですが、三田に来るまでは系列である福岡のカナディアンキャンプで10年働いていました。

 高校生の時、馬術部に入っていて、当時から「将来は動物に関わる仕事がしたい」と思っていたので高校卒業後に九州の専門学校に通いはじめました。その際、職場体験の機会があってカナディアンキャンプでお世話になることになり、卒業後お声をかけていただいて、こちらへ就職することになりました。

 カナディアンキャンプは北海道・苫小牧、山梨・八ヶ岳、福岡・宗像、大島の4店舗があります。
乗馬クラブ人口は関西が多く、関西から福岡まで来られるお客さんもいらっしゃるんです。

 関西にも乗馬クラブは多いんですが、当クラブも関西圏に立ち上げようという話が持ち上がりました。その際、個人で所有していた元のオーナーさんとご縁があってこの跡地を引き継ぐことになり、社長に「三田に行ってみないか?」と誘われて、2019年11月三田市に5店舗目をオープンすることになったんです。それがきっかけで福岡から三田に移住してきました。

カナディアンキャンプ乗馬クラブ神戸の室内にて笑顔でインタビューに答える中山美香さんの写真

知らない土地に引っ越すことに不安はありませんでしたか?

 福岡で勤めていた時も、夏の間だけ山梨に転勤になったり、北海道に行くこともありました。また、モンゴルやニュージーランドへの海外ツアーなどもありましたし、私にとって知らない土地に行くということは楽しいことだったので、三田への移住にも抵抗はありませんでしたよ。

普段はどんな仕事・どんな暮らしをしていますか?

 日々のルーティーンとしては馬の世話と厩舎の掃除、お客様の午前と午後のレッスン、その後は厩舎の掃除といった流れです。お客様がいない時は自分たちが馬に乗って調教したり、馬具のメンテナンスをしています。

 三田に引っ越してきた頃は街中に住んでいましたが、地元の方に「小野に空き家があるよ!」と紹介してもらったんです。元々、静かなところで暮らすことに慣れていたので、「職場の近くの方が便利かな?」と思い、半年前に小野に引っ越しました。

 仕事が休みの日にはショッピングモールで買い物をしたり、家でのんびりしたり、ドライブがてらお客さんに勧めていただいた三田グルメを満喫したりしています。先日は三田本町にある「蕎麦いち」さんに行ってきましたよ!最近では馬を運ぶトラックを運転できるよう、中型免許を取りに行きました。

赤いジャンバーと黒いヘルメットを着用し、左に首を向けた白馬のタテガミを撫でている中山美香さんの写真

三田で働くようになっての感想はいかがですか?

 ここは人里からも離れていてとても静かですし、周りに何もないので人も馬もゆっくり過ごせます。三田の印象はと言うとまず寒い!(笑い)。夏は朝晩がひんやりしていて過ごしやすいんですが、九州は10月でも海で泳げるぐらいとにかく暑かったので、冬の寒さは特に身に沁みます。でも、寒さに強い馬にとってはとてもいい環境で、のびのび過ごしているように感じます。馬は風や雨、雷、バイクの音などに敏感で怖がるんですが、ここは谷あいにあるので風も強くないし天気に左右されにくい。馬たちにとってもストレスの少ない環境なんですよね。

市街地から離れているというところでの不便さはありませんか?

 山梨に住んでいた頃もスーパーまで30分というような所で生活していたので、不便な生活には慣れていました。なので、三田に引っ越してきてからもそんなに不自由することはありませんよ。

中山さんにとって三田の魅力はどんな所ですか?

 周りの方々がとても良くしてくださるので、とても助かっています。例えば、馬糞を堆肥用に使いたいと引き取って下さったり、クラブに隣接する地主の方が「建物にかかってはいけない」と雑木を伐採して下さったおかげで、見晴らしも日当たりも良くなりました。あとは、地元の方にお野菜をいただいたりすることもあります。知らない土地に引っ越してきた身としては、そういった人とのふれあいがとても温かくて嬉しいです。

柵の向こうに見えている白を基調としたカナディアンキャンプ乗馬クラブ神戸の建物外観写真

カナディアンキャンプ乗馬クラブ神戸の建物外観

奥の壁面に暖炉、その右にテレビが設置され、その向かいに白い一人掛けのソファが3脚並んでいるカナディアンキャンプ乗馬クラブ神戸の休憩室の写真

カナディアンキャンプ乗馬クラブ神戸の休憩室

今後、三田で実現したいことなどはありますか?

 福岡や山梨にいた頃は、馬と一緒に地元のお祭りやイベント、武者行列などにも参加していました。他にも幼稚園のレクリエーションや小中学校の職場体験、学校のグラウンドでの引き馬体験など、地域の方と触れ合えるイベントに参加していました。三田でも今後は馬たちが活躍できるイベントやっていければと思っています。

 4月にワンデースクールをやったんですが、今年はコロナの影響で様々なイベントが企画と中止の繰り返しになるような1年になってしまいました。

 馬は人間の4~5歳ぐらいの知能があると言われていて、とても賢い動物です。大人も子どもも関係なく、人の言うこともよく聞いていますし、こちらの事もよく理解してくれます。

 馬にも色んな性格の子がいるので「このお客様にはあの子が合っているかも!」と思いながらおすすめしています。人も馬も信頼関係が大事。これまでたくさんのお客様を乗せてきた馬たちだからこそ、人間と馬との相性を照らし合わせながら、安心してお客さんを乗せることができるんです。なので、小学校の低学年のお子さんでも十分楽しむことができますよ!

白馬にまたがり優雅に乗馬で散歩している中山美香さんの写真

編集後記

 私も今回の取材を通して初めて乗馬体験をさせていただきました。500キログラムもある大きな体を目の前にするとドキドキしましたが、思い切ってまたがってみると、想像以上の絶景と力強い振動がとても心地よくて、ついつい寝てしまいそうになるぐらいでした(笑い)。クラブハウスの内装もとてもこだわっていて、まるで海外にいるかのような気持ちになるぐらいの非日常空間でした。
 コロナ禍で様々な制限があって何かと息苦しい現代ですが、市街地から車で20分というロケーションで、馬にまたがって日々の喧騒から離れられるという体験は、今を生きる私たちにとっては最高に贅沢なひとときなんじゃないかと感じました。

インタビュアー:第5期さんだ住まいるチームメンバー 岡本 恭子