地域マーケティングで 三田の魅力を伝えたい【太野達徳さん(一般社団法人「ドキドキマーク」)】

更新日:2023年02月02日

太野さん_顔写真

通勤時間でスキルとアイデアを磨く

 生まれてから30年くらい伊丹に住んでいたのですが、結婚して妻にゆかりのある丹波市に引っ越して、大阪まで片道2時間かけて通勤するという生活が2年くらいあったんですね。そこで、田舎に暮らすってアリだなと思ったんです。すごくゆったりしているし、窓から山が見える環境がいいなと。

 そして子どもが生まれ、家を買おうかということになり、最初は丹波篠山市で探していたんですが、結局三田の藍本に落ち着いて。実は、藍本はそれまで住んでいた丹波市よりも雰囲気がいい感じに田舎なんですよ。

 にもかかわらず駅から近いし、JR大阪駅まで丹波路快速1本でだいたい1時間なので、その時間を読書など自分の勉強する時間に使っています。100パーセント座れるのでパソコンも使えますし。伊丹の頃は自転車と満員電車を乗り継いでバタバタした出勤でしたし、丹波ではかなり早起きでしたので電車ではほぼ寝ていましたね。ところが、三田に越してきて丹波の頃より朝1時間長く寝ることができるようになり、電車に乗る頃には既に頭が冴えているんですね。そのタイミングで本もゆっくり読めるし、スキルを磨いたりアイデアをつくったりする時間として通勤時間を使えるようになったのは人生にとって大きなことです。

太野さん_オンライン移住体験ツアーの様子

地代が安いから建物にこだわれる

 この家は新築なんです。駅から徒歩10分という好アクセスでこんないい田舎はなかなかないので、もとからここにあった古い家を建て替えたんです。もともと古民家が欲しかったのですけど見つからなくて、結局、不動産屋さんに古民家風の家を建てられる大工さんを紹介してもらって。

 阪神間で戸建てを買うと半分以上が土地代ですけれど、三田の田舎のエリアは地価が安いので建物に十分な資金を使えたのは良かったですね。もともと写真が趣味なので、写真の仲間と展示会などを楽しめる空間があったらいいなとギャラリースペースを設けました。こういうスペースが欲しいという見取り図みたいなのを自分で作って、それを大工さんにお願いして(笑)。

 仕事は小売流通業でマーケティングの職務に携わっていて、デジタル系の媒体の仕事が多いですね。最近は減りましたが、コロナ禍ではほとんど在宅勤務でした。ワークスペースもあるし仕事環境は最強ですね。リモート画面の背景には、窓の外のこの山々が映る訳ですが、同僚に「めっちゃいいところやね」って言われます。アイデアを作っていく仕事柄、集中できるこの環境があるのは大きいなと思います。

太野さん_テレワークの様子

縁もゆかりもない人たちと地域で繋がる

 三田に来てから、こういうライフスタイルもあるよと発信して、同じような仲間を増やしたいと思っていたのですが、ちょうど三田市の移住PRチーム「さんだ住まいるチーム」のメンバーを募集していたので加入し、地域活動もはじめました。三田の価値は、自然豊かな里山エリアと便利で快適なまちエリアの両方がある土地柄と、他の地域からも人が行き来しやすい交通網があるという地の利である!と確信を持てたのはこの活動の賜物です。

 僕の考えるマーケティングとは、現在の状況となりたい将来像があるとしたら、それを繋ぐプロセスを設計して実行していくことなんです。移住者を増やしたいならば、そのためのプロセス設計と実行が必要なのですが、その活動を今以上に本気で取り組もうと一念発起して一般社団法人を立ち上げました。一市民としてだけでなく、一法人としても地域マーケティングでそこにトライしていきたいなと。

 移住者を増やしたいなら、マーケティングの第一歩は「ここいいところだな」という体験をしていただくことだと思うんですよね。三田の価値を一度体験してもらえれば、気に入ってもらえるという自信があります。それで、三田の魅力を伝えるオンライン移住体験ツアーを実施したのですが、改めて田舎のニーズが高いことを実感しました。三田、イケるなと(笑)。

 今後は、一緒に活動してくれる仲間を増やしていきながらいろいろと動いていきたいですね。もともと縁もゆかりもない多様な人たち同士が、三田が好きだという一点で縁ができて、家族も仕事も包括された広い意味での「地域」を盛り上げていこうという活動に繋がっていく。それって素晴らしいことですし、その楽しい輪に加わるチャンスがある点も三田の魅力の一つじゃないでしょうか。