工場の後継者として移住し 地域のインフラを守る 【島田利雄さん(島田モータース)】
「やってみないか?」に応えて
尼崎から三田へ移住しました。この自動車修理工場はもともとおじがやっていたのですが、後継者がいなかったんですよ。おじが体調を崩したこともあって、それで私に「やってみないか?」と声がかかって。
それまで自動車関係の仕事をしたことはなく、管楽器修理の職人やプラスチック成形工場の営業をしていました。まったくの畑違いなのですが、もともとバイクに乗っていましたし、車に興味があったので、やってみようということになりました。自動車整備士の資格が必須なので、働きながら日曜日に講習に通って資格を取得しました。
父親の実家が三田で、昔からおじいちゃんおばあちゃんのところへ遊びに来ていましたし、良い環境だなと思っていたので、三田に来ることには抵抗はなかったですね。一緒に来てくれた妻には感謝です。
実際に移住してみると、生活のスタイルがガラッと変わりましたね。前に住んでいたところが尼崎でもひときわ便利なところで、近くにお店は何でもあり、大阪や神戸へも電車ですぐという環境で暮らしていたので、正直、不便さは感じています。飲みに行くのが好きなのですが、三田に来てから飲みに行くことも少なくなりちょっと残念です。
落ち着いた子育て環境
住まいは工場から車で5分くらいのところにあります。静かでごちゃごちゃしていないので、住み心地は良いですよ。中古住宅を購入したのですが、まちなかと比べてかなり安かったですね。
今年、長女が小学校に入学しましたが、同学年が12人しかいないんですよ。子どもはみんな仲良くなれて、親同士も親しくなれましたし、先生の目が届くところはとても良いなと思います。子どもが成長して中学や高校へ進学したときにギャップを感じないかという点は、ちょっと心配していますが。
三田は、子育てサークルが充実していて、地域で子育てを応援してくれる環境があるのは嬉しいですね。そして、新鮮な旬の食べものを子どもたちに食べさせてあげられる点もいいなと思います。
お客さんはみんな温かい
休日は家族サービスですね、平日は家のことを妻に任せきりなので。家族でお買い物に行ったり、大きな公園へ遊びに行ったり。有馬富士公園は都会ではあり得ないくらい広いので、自由に遊べていいなと思います。冬のイルミネーションもきれいですしね。
お客さんがすごく優しいので、仕事をしていてやりやすいなと思います。うちのお客さんは「いいよいいよ」という感じだったり、こっちがお金もらって仕事しているのに野菜を持ってきてくれたり、これまで感じたことのないような人の繋がりがあり、温かいです。
このあたりは車がないと生活が不便で、家に車が1台あるだけで安心できるので、この工場は地域になくてはならないインフラだと思っています。売上げのことだけを考えれば、もうちょっとまちの方で規模を拡大する方が良いのかもしれませんが、社会貢献じゃないですけれど、この地域にある意味を考えていきたい。そして将来的にはカーライフのサポートだけでなく、お客様の中には高齢になって免許返納する方もいらっしゃるので、タクシーや送迎の事業もできたらいいですね。
更新日:2023年02月02日