「古」民「家」で居場所づくり ひとを繋いで「良」い「和」を築く【古家良和さん(OFFICE CAMPUS)】

更新日:2023年01月04日

古家さん_顔写真

まちへの思いから広がる活動

 2014年に関西学院大学総合政策学部を卒業しました。学生時代は、神戸三田キャンパスに地元大阪府堺市から2時間半かけて通っていました。

 大学では神戸三田キャンパスを盛り上げようとメディアをつくりつつ、リアルな場でイベントを企画し、繋がりを増やすといったコーディネーター的な活動をしていたんです。卒業後はそのまま神戸三田キャンパスの職員として学生活動のサポートをすることになり、それを機に三田に引っ越して来ました。

 もともとまちづくりに関わっていたので、三田を盛り上げたいという思いがあって、退職後に三田の地域ポータルサイトをつくりました。そうしているうちにいろいろな人との繋がりができて、ホームページ制作の依頼が舞い込むようになり、フリーランスのクリエイターとして活動するようになったんです。

 デザインスキルを磨きながら、写真にも興味を持ち、大阪の写真事務所に通って撮影も学んでいました。今は結婚式の撮影や、学校行事の撮影の仕事もしています。

古家さん_写真を撮る様子

自転車1台のコンパクトライフ

 そうやって仕事の幅を広げているうちに、事務所があった方がやりやすいなと思うようになったんです。ちょうどその時に古民家リノベーションをした物件がテナント募集をしているのを見つけました。古民家の事務所を持つのは夢でしたが、費用を考えてもだいぶ先のことだと思っていました。ですが、2度とこのような素晴らしい物件は出てこないと思いましたし、周りの人たちの応援もあって、入居を決めました。いまはここを事務所にして、コワーキングスペースとして開放し、いろんな人と出会いながら、仕事をしています。

 学生時代に学んだ、メディアを活用した社会課題解決が、いまの仕事の根本にあります。クライアントは三田の事業者が多いですね。

 僕は、小学校校区圏内というとても狭い範囲で生きているんです(笑)。移動はほぼ自転車ですが、三田の中心部は都市機能がコンパクトにまとまっているので、それでほぼ生活に必要な用事を済ませることができます。仕事が大好きなので土日も撮影の仕事に出ていますが、たまのオフの日にはサウナで「整う」ことが多いです。三田とその周辺には温泉施設がいっぱいあるので嬉しいですね。

 三田の住環境は、静かで空気がきれいです。電車で帰ってきた時は、三田の駅を降りたとたん、空気が澄んでいて「帰ってきたなぁ」と落ち着く感じがします。

古家さん_作業風景

自分の名前に夢が宿っている

 僕が三田にいる理由って、お世話になったからなんですよね。学生の頃、何も知らず自分のわがままで活動に付き合ってもらったり、応援していただいたり、人を紹介していただいたり、たくさんの方と繋がることができました。そんな人たちとまちなかで普通にすれ違い、あいさつをする場所に三田がなっていることがとても心地良いですね。

 三田は移住者やまちに関わりたい人にはとてもウェルカムな雰囲気があります。まちに関わってくれる人材を探している人と、まちに関わりたい人たちの橋渡し役と私のことを思って、このコワーキングスペースに来てくれる、あるいはここを紹介してくれる人がいるという状況がすごく良くて。実際にここで出会って一緒に何かを始めた人もいますし、そういう人と人を繋ぐ場、まちに関わる人たちのハブという存在になりたいですね。

 「古家良和」という名前の通り、僕の夢は「古」民「家」で「良」い「和」を築くことなんですよ。この夢はほぼ叶いつつありますが、今後はこれをもっと安定させつつ、充実させていきたいですね。そして将来はここのほかにも、もう一つ里山の方に古民家の居場所をつくりたいです。社会や組織の中で生きづらさを感じている人たちや孤独を感じている人たちが社会復帰をめざすゲストハウスのようなものができたらいいなと思っています。