緑の芝にログハウス 憧れの田舎暮らしを実現【勢田勇次さん・しげりさん ご夫妻】
愛犬のために広い庭を求めて
しげりさん 私の親が三田にいるので、最初は神戸から三田に戻ってきてニュータウンのマンションで15年ほど暮らし、2019年に三田市小野地区へ移ってきました。そのきっかけは犬です。広いところで遊ばせてあげたいので、前は犬と一緒にいろいろなところへ出かけていたのですが、いっそ広い庭のある家に引っ越そうという感じで、あちこち探しました。
勇次さん 僕ももともと三田っ子ですし、この6月までは大阪で勤めていたので、新三田まで車で行ける範囲で住む場所を探していたんですよ。
しげりさん 自然豊かな環境なのに、上下水道などの生活インフラが整っていたのもポイントでしたね。住み心地はすごく良いですよ。田舎暮らしは初めてで何もわからずに来ましたが、まわりの方がフレンドリーで良くしていただいています。
勇次さん 「ようこそ」という感じで、移住者に理解がある人ばかりですよ。
しげりさん 「ワンちゃんに」って猪肉をいただいたり、栗も柿も勝手に取っていいと言ってくれたり、お野菜を持ってきて「たくさんできたから食べ助けして」とか。親切がさり気ないんですよ。「食べ助け」って、素敵な言葉でしょ?
勇次さん しかも「この土地使って」って、200坪も。貸主からすれば草ぼうぼうにしておく訳にはいきませんから、Win-Winの関係なのではないかと思います。そこの半分を菜園、残り半分をドッグランにしています。
生活をゼロから手づくりする楽しみ
しげりさん いまはログハウスに住んでいますが、もとはここに古い平屋があり、庭は荒れ地でした。
勇次さん 庭は整地も自分でやり、それまで生えていた野芝を生かしつつ、新しく芝床を敷いて2年かけて整備しました。週末はずっと作業でしたね。
しげりさん いまのライフスタイルは、私は三田市内各地でダンスやヨガの講師をして、その行き帰りにお買い物をする感じです。お休みは庭と菜園ですね。
勇次さん 私は隔日でゴルフ場で働き、休みの日は妻と畑と庭、そして犬と過ごします。たまに有馬富士公園へ連れて行って小一時間散歩するんですが、うちの犬たちは大喜びです。
しげりさん 越してきたばかりの頃はDIYでいろいろなものをつくりました。ここではドアの付いている物入れをやめたので、家具をリメイクしたり、棚を作ったり。ディスプレイしながら収納するようにしたんです。生活の場をゼロからつくっていくプロセスも楽しんでいます。
勇次さん この家はお風呂とトイレ以外は間仕切りのドアがないんですよ。
しげりさん ひとつの空間で、どこにいてもうちの子(犬)たちの気配を感じていたいんです。
庭を、里をもっときれいにしたい
勇次さん 夜は庭をライトアップしています。うちをカフェと間違えて入ってくる人もいるんですよ。
しげりさん 縁があってここ、小野地区に住み、里の人にも親切にしてもらっています。なので、一番見たくないのはこのあたりに廃墟が増えて廃れていくことです。だからどんどんきれいにしていきたいですね。自分たちの庭だけでなく、ご近所も。「映える」場所がたくさんできれば、この地区に興味を持ってくれる人も増えると思うんですよね。
勇次さん お隣には90代のおじいさんが暮らしていますが、そこに梅の木が2本、春になるときれいな花を咲かせるんです。でも、ご高齢で手入れが行き届いていないし、こちらから眺めても荒れていたら良い気分じゃないので、草刈りさせてもらっているんですよ。
しげりさん ここには家や土地を持ちあぐねている方が結構いらっしゃるし、一方で田舎暮らしをしたいという人もいますので、うまく結びつけば良いですね。そして、私たちの田舎暮らしを見て「やってみようかな」「できそうだな」という人が増えればいいなと。
勇次さん 地域の人も「ぜひやってください」と協力的で、必要な機材も貸してもらえたりします。田舎暮らしをはじめるにはちょうど良い場所じゃないですかね。
更新日:2022年12月25日