Pharma and Farmer(ファーマ&ファーマー) 三田・波豆川(はずかわ)の暮らし【岡田真二さん】
波豆川とのご縁!
2016年に川西市のニュータウンから三田市の波豆川(はずかわ)に移住しました。初めて波豆川の地に立ったのは10年前ですが、その時に「ビビビッ」と第六感が働いたことを今でも鮮明に覚えています。最初の3年間は畑を借りて「週末ファーマー」として通っていました。そのうちに波豆川の地と“ひと”に魅了されていき、そんな時に今の家(築100年超の古民家)に巡り合いました。五右衛門風呂もおくどさん(かまど)も残っていて、地元の大工さんがそれらを残しつつ住みやすい家に直してくださいました。おかげさまで毎日“楽しい暮らし”を営んでいます。
波豆川Lifeは時代の最先端!
平日は、製薬会社(Pharma・ファーマ)で働いています。今はリモートワーク中心ですが、以前はここから大阪梅田まで片道約1時間かけて通っていました。今は通勤時間を野良仕事にあてることができています。
波豆川での生活は畑仕事だけでなく、エネルギーも自給することができます。冬は山で木を伐り、薪を作っています。薪ストーブで暖をとり、かまどでごはんを炊き、お風呂は五右衛門風呂。この生活は楽しいだけではなく、時代の最先端を行っているなと感じています。例えば少子高齢化、エネルギーや食料に関する問題…それらの社会が直面している課題は、ここにいればすべて解決することができます。
波豆川は野菜や米が美味しくて山もあり、食料もエネルギーも自給することができます。そして何より地域コミュニティがしっかりしています。暮らしの中での共通の話題(田んぼや畑について等)が多いことが要因かな、と思っています。波豆川の生活、すなわち「農を中心にした地域共同体がしっかりしている」ことこそ、いま社会が求めているもので、ようやく時代が波豆川に追いついてきたと感じています(笑)。
“さんま”+“手間”=楽
移住したばかりの頃、「こんな不便なところによく来たね」とよく言われました。しかしながら、「不便か便利」かは、その人のライフスタイルで決まります。例えば、薪を焚いて暮らす人にとっては、波豆川はとても「便利」で、都会は「不便」となります。もっと言えば、そもそも便利か不便か、という話ではなく、生活そのものが楽しいのでそんなことを気にしたことがない、というのが正直なところです。僕は「三つの間」=「時間、仲間、空間」が揃うことが、楽しく過ごすためには必要だと思っています。そして、もう一つ、楽しむための「間」、それが「手間」です。ワンクリックで何でも揃う時代ですが、手間がなくなったことで生活から「楽しさ」も失われているような気がします。波豆川での生活はこの三つの間+手間が揃っていて、楽しいのです。みなさん、大変だね、と仰るのですが、薪でお風呂を焚く手間は不便でも面倒でもなく、生活の中の楽しみなんですよ。
波豆川には目標にしたい人が大勢おられます。その方々に共通することは「人間力が高い」ことです。農的な暮らしを営むうえでの「必要な技能」をお持ちであるだけではなく、地域のことを我がことと考える「当事者意識」が高く、そして「行動力」があります。波豆川には、私がこの先歩む10年後、20年後、30年後、それぞれに目標にしたい人生の先輩がおられます。
移住を希望される方にお伝えすることがあるとすれば、ご縁を大事にしてください、ということでしょうか。僕は波豆川にご縁をいただきましたが、それぞれにあったご縁があると思います。ただ、「その地域が自分のためにあるのではなく、自分が地域のためにいること」を忘れないようにしてください。その思いを持って地域の行事に積極的に参加し、地域のために地域の方と一緒に汗をかくことを人生の大きな喜びとすることができれば、幸せな毎日を過ごすことができると思います。
更新日:2022年12月28日